横から見たan・anとジャムコンと関ジャニ∞の今/「担当」をめぐるあれこれ
※関ジャニ’Sエイターテインメント ジャムのネタバレをしています。
※担降りブログではないつもりですが、担降りについて話をしています。
思いがけずブリュレ ― an・anの話
横山くんがしんどい。きっかけはドラマONの東海林先輩で、そのくだりはジレッタの感想に書いたのだけど、ジレッタも、俺の好みのYouとYouも、幼児のような笑顔でバッタとちょうちょを追いかけるのも、だいぶしんどいなあと思いながら見ていた。
ここでいう「しんどい」は、ほぼ「好き」と同義だが、想像を超える振れ幅に翻弄されてどうしていいかわからない、底知れない魅力が逆に怖い、顔がかっこいい、といった感情がごちゃ混ぜになって、うまく言葉にできないような感じである。
そしてan・anである。関ジャニ∞全員で表紙を飾るメンノンの発売直前、おたくの虚を突くように報じられた、an・anセックス特集、セクシーグラビア12ページ。最初こそ「シャツのボタンをきっちり止めておリボンをつけている横山くんが好きなんだ!ハダカとか女性とのカラミとかそんなわかりやすいものに屈しないぞ!」と思ったものの、ジャニオタの方々の情報(ツイッター)により、横山くんが以前ラジオで「an・anで脱ぎたい(オファーがきたら鍛える)」と語っていたことを知る。数年越しに有言実行する横山くん、かっこいい。というかそもそも買わない選択肢がない。この時、マガジンハウス様の靴が眼前にあれば舐めていたと思う。
an・anはいざ蓋を開けてみると、横山くんもお相手の女性もひたすらに美しく、生々しさがなく、エロいというより耽美的で上品だった。美形度がある一点を突破すると、急にエロさを失う法則(エロさの谷)があるのではないかと思った。
だが、見開きのページ、女性の背中越しにこちらを向く横山くんに、覗き見してしまったような気持ちになって手が止まった。思いがけずブリュレ。憂いを帯びているようで、何の感情も込められていないような目線。なんという表情をするのだ。しんどい。服を着てほしい。これが、女性タレントと見つめ合うだけで汗だくで真っ赤になるシャイな横山くんなのか?
時間を置いてもう一度見てみると、全体的にしんどかった。伏せたまつげとまぶたの陰影が、ほぼ絵画だ。顔がかっこいい。手が綺麗。しんどい。相手の女性に嫉妬するとか、自分に置き換えるとか、あらぬ妄想をするとかではないが、なんだか気持ちがザワザワした。
その一方で、何をきっかけに横山くんが抜擢されたのか知りたいと思った。これまでにan・anセックス特集の表紙を飾ったジャニーズタレントは、当時22歳~26歳。対して、横山くんは36歳だ。顔の良い男性たちが勢揃いした事務所で、売り出し中で勢いのある若い子でも、アニバーサリーイヤーのグループでも、大きな仕事が控えている人でも、王道のセックスシンボルでもなく、横山くんのバラエティでのイメージからすれば、意外ともいえる人選ではないか。
幸いにも、私が参加する関ジャニ∞のコンサート(通称「ジャムコン」)が数日後に迫っていた。an・anが発表・発売されてから初めての公演であり、MCでこの話題が出ることは確実と思われた。
夏の俺らは ほら罪なのさ ― ジャムコンの話
そしてジャムコンである。プラチナブロンドに近い金髪で襟足刈り上げという、二次元ビジュアルで登場した爆イケ大倉くんは、MCにおいても信頼と実績の大倉くんだった。「今日近所のセブンイレブンで買った」というan・anを持参したのである。ウチの最年少は仕事ができる。
その中で、an・anのきっかけは、エイタメコンのオープニングムービー(錦戸くん監修)で横山くんが扮したインテリヤクザであると判明した。ジャニーズのコンサートで「インテリヤクザのセックス」というパワーワードが爆誕した瞬間だった。
青天の霹靂。草上の朝食*1。東海林先輩でも門前さんでもなく、「ハダカ」の衣装*2でもなく、インテリヤクザとは想像の斜め上だった。ビーナスの誕生は(建前上)エロくないが、裸婦の隣に着衣の男性が座るとエロである。美しい男女の映画のような逢瀬はエロくないが、インテリヤクザのセックスというストーリー性*3が加わると、それはもうエロである。
勘弁してくれ。私は歯を食いしばり、いちご棒(ペンライト)を握りしめて耐えた。メンバーが喜々としていじる中、横山くんは、ヤイヤイ反論するのではないが、汗だくでソワソワしながらも「(大倉くんが)買ってくれたのは嬉しい」と言っていた。一方、「次号の表紙はシークレット」という予告記事を見て、「俺!俺!」とほくそ笑んだという横山くんは、めちゃくちゃ横山くんだった。
迫力と男気のあふれるバンドスタイルの前半から一転、後半は30代男性の色気と可愛さがフュージョンしたアイドルステージだった。夏のドームを揺らす「JAM LADY」「罪と夏」にひたすら歓声をあげ、「かっこいい」以外の語彙を失った。このときの偏差値は30くらいだったと思う*4。
そして「レタスの妖精」「バッタ」等の前評判があった黄緑の衣装は、みなフワフワしてファンシーだと思った。ところが、ジャケット(レタスの外の葉)を脱ぐと、ノースリーブだった。首元が詰まっているのにノースリーブ。二の腕が白い。服を着ているのに、異常にセクシーだった。an・anを見て、服を着てくれと思った私は間違っていたと思った。
他にも、水のアーチがかかる花道で、噴水と噴水の間にひとり真顔でスッと入ってみる様子や、アンコール前のハケ際、みながキメ顔を披露したりサービス満点の笑顔を振りまいているのに、照れているのか、ペコリとお辞儀をする姿がしんどかった。そして極め付け、純情恋花火の間奏中、バックについていた関西ジュニアを真似て盆踊り的な振りを始める浴衣姿のメンバー。横山くんは……踊らない!!横目でチラチラ見てるのに!!!あ~~~そういうとこ……そういうとこ……(フェードアウト)
俺の好みのYouとYou ― 担降り問題
もうどうしていいかわからなかった。白くて美しくて眩しくて、本来なら日食のメガネで見なければいけないような人を、双眼鏡で見てしまった。しんどいがピークに達していた。
ジャニオタが、一番好きなジャニーズ(=「担当」)の他に、気になるジャニーズの方が浮上し、一番の地位が揺らぎそうになった場合に直面する問題が「担降り」である。もちろんファンのあり方も様々で、複数のグループのファンでありそれぞれに担当がいる「掛け持ち」も、グループ全員が好きな「箱推し」も、広くジャニーズを愛す「事務所担」もいて、どれが良いとか悪いとかの問題ではないと思う。
しかし「担降り」は、ときに棄教レベルの葛藤と決心を伴う。担降りするとかしないとか、どのようなスタンスでジャニーズを応援するかは、ほとんど自分の中だけの問題であるのに、自意識をこじらせたジャニオタは、どうしても思い悩んでしまいがちだと思う。
私も例にもれず、安田くんが好きだと思っていたのに自分はどうしてこんなにミーハーなのか、関ジャニ∞を好きになったのすらここ数年の新規なのに、いや安田くんは好きだけど横山くんがしんどい、仮に担降りしたとして過去のレコメンを全部聞くような覚悟があるか、こんなにフラフラしていては他の安田担にも横山担にも不誠実ではないか、滝に打たれた方がいい、もしくは今すぐ懺悔室に駆け込みたい、と散々に悩んだ。
だが、ある時ふと我に返り、「趣味なのにどうして地獄の業火に焼かれるような思いをしなければならないのか?」という当たり前のことに気付いた。私にとって、ジャニーズのみなさんはあくまでエンターテイメントである。生活の一部ではあるが、全部ではない。現ありきの夢なのである。義務感を感じる必要はない。
私はメンバー個人だけではなくて、彼らの関係性と、仲の良さと、団体芸と、一蓮托生感が好きだ。というか、みんなおそろしくかっこよくて、知れば知るほど魅力的だ。しばらくして他のメンバーに熱を上げる可能性も否定できない。コンサートなど、「心変わりの相手は僕に決めなよ」*5と言いながらキメキメで歌い踊っているに等しい。「DO NA I」も、まさにそんな歌である。
なんか、担当とか決めなくてもよくないコレ?コレよくない?よくなくなくなくなく\セイ イエーッ!!/
……
ジャニーズ特有の担当文化は面白いと思っているし、好きだが、今の自分をどう当てはめていいかわからなくなって、担当について考えるのを諦めてしまった。ただし、義務感を負わず、かつ後ろ指をさされないファンでいるために、
- 楽しく、謙虚に、愚痴を言わず、身の丈に合ったファン活動をする。
- 時間やお金などのリソースは有限だから、メディアへの露出は、無理なくチェックできるだけにする。
- ファンクラブやCDリリースなど、要所で金は出す。
- 今を追いかけるのだけでも楽しくて忙しいから、過去を遡るのは義務としてではなく、興味が湧いたときにする。
ということに決めた。
体感的には滝まで行って戻ってきたのだが、ここまですべて自分の中で発生して収束した出来事であり、着地点は「関ジャニ∞のファン」というごくごく普通のものだった。とても不毛である。しかし、整理できたことでかなり楽になった。「劣等感 カテゴライズ そういうの 忘れてみましょう」という林檎さんの歌詞を思い出した。
乱気流を超えて行くんだ ― 横山くんと関ジャニ∞の今
他のジャニーズグループの担当や、非ジャニオタの友人知人が「関ジャニ∞なら横山くんが好き」と言っている。東海林先輩出の横山担*6も多い。舞台ファン、ロックファンがその麗しさに感嘆しているツイートをいくつも見た。横山くんの美しさに惹かれて関ジャニ∞に興味を持ったフォロワーさんもいる。an・anの話題が他のグループのファンからRTで回ってくる。
なんとなくザワザワしている気がする*7。あくまで私のツイッター周辺なので、サンプルが偏っているのは否めない。しかし、あからさまな「大人の事情」抜きに、横山くんが「紙媒体を売る力のある人」と認識されていることは、横山くんは美しくてバッキバキで進化し続けるゼウスであるという関ジャニ∞ファンの共通認識が、広く知れ渡ることを意味するのではないかと思った。
私はこれまで、横山くんは不得意も愛嬌に変えてしまう魅力と愛される才能の持ち主であり、すべてが可愛いに帰結する様が、(誤解を恐れずに言うなら)非常にアイドル的だと思っていた。
そんな人が不得意を努力で埋めていく。コンサートや歌番組では、繊細さと透明感はそのままに、伸びやかで芯のある歌声に聴き入った。ボイトレ効果が顕著だったのが、ジャムコンの「Answer」であり、「A-Studio」で披露した「青春のすべて」だったと思う。
そして、体作り、トランペット、ボイトレなどの努力の集大成がan・anではないかと思っている。トランペットとセクシーグラビアが直接関係あるわけではないが、造形の美しさに加えて、キャリアや努力に裏打ちされた自信がにじみ出ていて、かっこよくて、私はそれに惹き付けられたのだと思う。
かといって、隙がなくなった感じはしない。飲んだあと解散するのが寂しくて、丸山くんと大倉くんに「もう一軒行かへん?」と言ったエピソード、変顔のムチャぶりにすべる姿、卵を割ってドヤる顔。愛される余白はそのままに、努力で押し上げるように魅力を増して、36歳にしてかっこいいをどんどん更新していく。煮詰まった時は「明日できる」と考え、「関ジャニ∞にとって自分を出すことが必要なんだ」*8と気づいた人の明日が、未来がどうなるのか。眩しくて、でも目が離せない。
そして、ファン歴の浅い私の主観だが、関ジャニ∞全体も、もうどうしようもなくビンビンきてる感じがする*9(図参照)。グループにおいても、横山くんのan・anはエポックメイキングな存在のひとつだと思う。プレミアムフライデー(国の仕事)も、スパイダーマンホームカミングのアンバサダーと主題歌も、27時間テレビのMCもそうだ。さらに主演ドラマが放送中だし、主演映画だって控えている。それぞれの活躍が、グループの勢いを加速させていく。
また明日起きたら、想像を超えるえげつないニュースが発表されているのではないか。そんな気がして、とにかく毎日が楽しい。
*1:森の中で裸婦と着衣の男性がくつろいでいるインモラルなマネの絵画。
*2:上裸+ピチピチショートパンツ+白靴下+革靴+襟とカフス。
*3:an・an公式によれば、このグラビアのイメージは映画「ターミネーター」とのこと。
*4:関ジャムでの岡崎体育さんの発言「夏うたの偏差値は低め」より。
*5:小沢健二・スチャダラパー「今夜はブギー・バック」より。
*6:「○○をきっかけに△△さんの担当になった人」のことを「○○出の△△担」と言う。
*7:ここに書いていないだけで、他のメンバーについても同様のことが起きている。たとえば、ジャムコンに参加した嵐担の友人2人は、大倉くんの顔の美しさにボコボコにされていた。
*8:ジャムコンパンフレットより。
*9:安室奈美恵「Chase the Chance」より。